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第56回オールスター競輪

後閑信が地元でG1制覇

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自力でまくって優勝した後閑選手。表彰式ではチャンピオンジャージを身にまとい、地元ファンと優勝の喜びを分かち合った。

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「初心に返って自力に戻す」
 後閑信一が残りの競輪人生を考えた時に導き出した答えがこれだった。
 ホームバンクでむかえたオールスターは勝ち上がりこそ信頼を置く池田勇人、平原康多を目標とした勝ち上がりとなったが、決勝戦は自力での勝負。見事なまくりで自力の決まり手を付け、栄冠をつかんだ。
 「新田君とは川崎(8月のF1戦)で対戦していたので、彼の脚力はだいたい頭の中にありました。本当は自分が先にまくって行きたかったけど、新田君のダッシュ力が凄くて、付いていく形になってしまいましたね」
 最終2コーナーからまくって、直線では新田とのマッチレースを制した。レース後は多くのファンが後閑に大歓声を浴びせる。
 「この瞬間をまた迎えるためにやっていた。自分が選んだ道が間違っていないと証明することが出来ましたね。最近は年々脚力の衰えを感じていました。自問自答した結果が脚質を自力に戻すという結果だった。身体の使い方から見直して、今では脚力の上昇を感じています。同年代の方は、年々体力の衰えを感じている頃だと思いますが、こうやって自分が優勝することで、まだ諦める歳じゃないと、エールを送ることが出来たと思います」
 地元バンクで最高の結果を残したが、後閑の向上心は尽きない。
 「まだまだ自分の中では完成じゃない。課題がまだまだあるし、もっともっと上を目指したい。やることは一杯残ってますよ」
 今後、進むべき道はしっかりと定まっている模様。後閑の進化はまだまだ続いていくこととなりそうだ。
 
 打鐘の4コーナーからカマシた新田祐大は、最後の直線で力尽きた。
 「タイミングは良かった、でもどこかスムーズに踏めてなかった。自分の後ろがどうなっているかも分からず、確認出来たのは最終バックだった。成田さんが居なくて、一瞬でも流したらまくられてしまうと思い、必死に踏みました。F1とか記念とかだと勝てる内容だったけど、これがG1なんですね。力を出し切れてない訳ではないけど負けは負け。同じ展開で勝つにはもっともっと脚力が必要だし、レースの内容も修正しないといけませんね」
 
 後閑信一をマークした勝瀬卓也が3着に流れ込む。自身初となるG1の決勝戦で確定板入りを果たした。
 「後閑さんには、昔から練習でお世話になっていたり、開催で一緒の時に自分の自転車を見てもらったり、乗り方を教わったりしてました。最近強いのをずっと見ていて、後閑さんの後ろは間違いのない位置だと思ってました。踏み出しが凄く伸びて口が空いてしまって付けきれませんでしたが、これは自分の修行不足。今回は色んな人のおかげで良い経験をさせてもらいました」
 
 打鐘で先頭に立ち、主導権を狙った藤木裕。新田に叩かれた後も懸命に追うが最後は力が及ばなかった。
 「最近は気持ちの弱さがあったけど、それを払拭することは出来たと思います。決勝の組み立ては間違ってないと思いますし、脚力で負けた結果なので、負けたことには納得してます。また脚を作り直さないといけませんね」
 
 吉田敏洋は後方から仕掛けるも、後閑に合わされる形となって伸びを欠いた。
 「難しいレースでした。1着を獲らないと意味が無いレースだし前々に攻めようと思ってました。途中までは良かったけど、最後が良くないと何の意味もない。冷静に後閑さんを追っていれば良かったのかも。でも後閑さん位置でのレースを自分がしないとダメでしたね」
 
 金子貴志は3連勝での勝ち上がり。完全VとG1連覇を懸けた一戦となったが、目標の吉田が不発で出番を見出せなかった。
 「良い緊張感の中でレースをすることができました。勝った後閑さんが強かったと思います。今回は勝てなかったけど、こうやってG1の決勝に乗り続けることは大事だなと思いました。今回は身体が重たい状態で前検日をむかえたんですが、開催を通してどんどん身体が軽くなってきた。この仕上げ方を実感できたことは、今後レースにつながってくれると思います」
 
 成田和也は今年のG1レース全てで決勝戦進出。高いレベルでパフォーマンスを続けて居たが、最終2コーナーで村上博幸のブロックを受け、追走を阻まれてしまった。
 「博幸君がいい動きでした。自分に余裕があればなんてことない展開だった。新田も外に外しながら仕掛けていたし、自分が付いて行けば新田が優勝できるレースでした」
 
 村上博幸は最終2コーナーで成田に身体をぶつけてラインを分断するも、その後は内に包まれ出番を逸した。 「後輩を前後に付けての競走だったので、気合の入り方は違ってました。藤木が行ってくれたんですが、新田君の仕掛けは、自分が一番来て欲しくないタイミングでした。そういうポイントで来るんだから、新田君の脚が一枚も二枚も上でしたね」
 
 稲川翔は最終3コーナーで後閑、勝瀬の動きに切り替えたが4着までが精一杯だった。
 「今回のメンバーなら3番手の位置でも優勝を争える位置だった。自分にもっと力があれば、上位に食い込めたと思います。状況に応じて冷静に対処できないのが今の実力でしょう」

最内の成田和也がいち早く飛び出してSを取った。初手は新田祐大ー成田、藤木裕ー村上博幸ー稲川翔、後閑信一ー勝瀬卓也、吉田敏洋ー金子貴志の順で落ち着く。
淡々と周回が進み、動きがあったのは青板周回のバックから。まずは吉田がゆっくりと上昇していき、赤板で前の新田を押さえた。新田はすぐに車を下げていくと、今度は藤木が上昇して先頭に立ったところで鐘が入る。中団4番手には後閑、6番手には引いた吉田と新田で併走となった。ペースが緩むなか、外併走の新田は一旦呼吸を整えると4角から一気に反撃に出る。前の藤木も合わせて踏み込んでいったが、スピードで優った新田が叩き切って主導権。そのとき、村上が外をブロックすると成田は堪えられずに後退した。これで新田は単独での先行となってしまった。この攻防が収まると、今度は後閑が満を持して2角からスパート。後閑の勢いは良く、バックで藤木を抜き去ると、さらに前の新田に襲い掛かる。直線に入り、新田が自ら横に振って抵抗するも、後閑の勢いは止まらず。ゴール寸前で後閑が交わして先頭でゴール線を駆け抜けた。新田は惜しくも2着でG1初Vならず。後閑を追った勝瀬が3着に入った。

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