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第23回寛仁親王牌

深谷知広が3年ぶり2度目のG1制覇

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力強い走りで人気に応えた深谷知広選手がファンの大歓声に応える。

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特別競輪優勝のデビュー最短記録を更新したのが11年の高松宮記念杯。それから3年、常にタイトル争いの主役を演じてきた深谷知広が待ちに待った2度目のG1タイトルを獲得した。
 「(3年間は)ある程度、タイトル争いの位置にはいれたと思うんですけど、2着が続いたりして優勝できなかったので、本当にうれしいですね。ずっと緊張感を持って練習していたし、獲れて良かったです」
 5月の練習中に落車。それから3場所連続で決勝進出を逃すなど精彩を欠いていたが、今大会は初日から抜群の気配だった。単騎の選手が多かった決勝戦も冷静な判断力と強さを見せた。
 「単騎が多いんで難しくはなるなと思ったんですが、流れの中で決めようと思ってました。単騎勢が前に先に行ったのであそこで全部引いてもキツイかなと思って。どこか空くだろうと一歩ずつ前に行ったんですけど、全部空いたので良かったです。冷静に見れていたと思います。バッチリのタイミングで行けました。浅井さんも付いてくれているので、構えるより力で勝負しようと思いました。2人で連係して迷惑をかけることも多かったので、決勝でワンツーを決められたのは本当に良かった」
 これで4年連続のグランプリ出場が確定。これからの競輪界も深谷を中心に回っていく。
 「最初以外は賞金で出てたんで、タイトル獲って出れるのは嬉しいですね。今後はまた優勝できるように、また一から練習して、しっかり頑張ります」

 浅井康太は追走いっぱいの2着。レース後は深谷の強さを称え、満足そうな表情を浮かべる。
 「あそこで内を突いて番手を取った深谷の判断が良かったですね。2コーナーぐらいから踏み出したので、そこだけ集中して付いていきました。3コーナーは離れそうになるぐらいの加速でした。昨日よりもすごかったし、あんなの体験したことがない。ギアを1枚上げて正解。何とか付いていけました。自分の調子は悪かったけど、あいつはめっちゃ仕上がってますね。G1決勝でワンツーが決まって良かった。いい連係だったと思います」

 九州3車の軸を担った井上昌己だが、予想外の動きによって分断を許してしまった。3着で表彰台にこそあがったが、「自分が不甲斐なかった」と申し訳なさそうにレースを振り返る。
 「イナショーだけ見てたんで。前に出て、よしどこで降りようかと思ったら内から深谷が来た。あそこの一瞬のひらめきが、深谷はよかったですね。上手かった、あいつが。ああいうレースをするってことは誠一郎を認めてる証拠ですね」

 稲川翔は打鐘前からインを斬って飛び付きを狙ったが、内を深谷にすくわれたのが大誤算だった。
 「優勝するにはあれしかない。飛び付く気満々だったのでうちは締められなかった。勝負した結果だけど力の差を感じました。もっと信頼されるためには動ける脚をつけないと。次の目標ができました」

 初めてのG1決勝の舞台でも中川誠一郎は冷静だった。ギリギリまで深谷にフタをしてドンピシャのタイミングで仕掛けたが、内から復活してきた深谷のスピードに屈した。
 「落ち着いて走れたし、展開的には理想どおりの展開だった。(内から来た)深谷に反応して叩けたし僕なりにはいいレースだったと思います。楽しかったです」

 ホームで浮いてしまった大塚健一郎は稲川後位で立て直したが、前は遠かった。
 「単騎が4人もいるし、(深谷が内に行っても)どっか閉まるやろうと思った。決まったと思ったけど、ちょっと浮いたっすね。それに対応できなかった自分の力不足。情けないです」

 野田源一も12年ぶりのG1決勝を「楽しみました」と振り返る。
 「一番後ろになったので、まず動いて誰かに斬られてもその後ろをキープしてと思った。イナショーが前に出たので粘るかもと思ったけど、(深谷が)内から来るとは思わなかった。どうしようもなかったですね」

スタートで、各車とも出渋るが、内枠の深谷知広が踏み上げて正攻法の位置を確保。浅井康太が深谷を追って中部コンビで前団を形成。中団に中川誠一郎―井上昌己―大塚健一郎の九州ラインが収まると、単騎4車の並びは菊地圭尚、稲川翔、池田勇人、野田源一で周回を重ねる。
青板の2コーナーから野田がじわじわと上昇を始めると、稲川もそれを追う。野田の動きを見た深谷は赤板ホームで誘導を下ろして踏み上げるが、野田がそのまま踏んでくるとすんなりと車を下げる。2コーナーで緩めた野田を稲川が叩いて前に出るが、打鐘過ぎに中川が一気に仕掛けて先行態勢。同時に深谷が空いた内をすくって、最終ホームで中川の番手を奪取。踏み出しで遅れた浅井は一旦は深谷に離れてしまうが、しぶとく踏み直し3番手に入る。4番手に井上、大塚を飛ばした稲川が5番手。絶好の展開となった深谷が2コーナーからまくりを放つと、そのまま押し切って快勝。自身2度目となるG1制覇を遂げた。浅井がしっかりと深谷をマークし、SSコンビでワンツー決着。中川の番手を奪われた井上は、SSコンビを追って3着に流れ込んだ。

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