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第22回寛仁親王牌

金子貴志が涙のG1初V

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待ち受けた中部勢の選手たちに胴上げの祝福を受ける金子貴志選手。鍛え上げられた身体が3度宙に舞う。

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美しい師弟愛が最高の形で実を結んだ。準決勝でワンツーを決めた時点で、決勝も師弟連係が決定していたが、飯嶋則之が分断を宣言して一気に緊張が高まる。しかし、「自分と金子さんが飯嶋さんよりも優っているんだと思って走った」という深谷の気持ちが象徴的だった。ジャンから一気に加速すると飯嶋を置き去りにし、離れながらも金子貴志が懸命にこれを追走。最後は金子がタイヤ差交わして師弟でワンツー。そして嬉しいG1初優勝を遂げた。
 「(決勝は)深谷君が優勝してくれればと思っていました。僕は食らい付いて踏み出し勝負だと。脚を溜めたかったけど、飯嶋君も最初から(競りに)来てたので失礼のないようにと思って自分も行きました。口があいて苦しいかなと思ったし、4コーナー回ってこれは抜けないかと思ったけど山おろしで思ったより伸びたので。優勝したという気持ちはなかなか込み上げてこなくて、レースが終わって、皆が自転車を取りに来てくれて。たまらなかったですね。嬉しかったです」
 G1優出はおよそ8年ぶり。「30歳くらいまでは戦えてたけど、それからなかなか調子も上がってこなくて諦めかけてたところもあった」と過去の思いが頭をよぎり、涙を流しながら振り返る。「名古屋オールスターの2着(2005年)があって、それ以降は成績も良くなくて、練習をやってもなかなか成果が出なくて、気持ち的にも落ちてる部分があったんですけど、深谷君が出てきてくれて、また気持ちを取り戻して、もう一回頑張ろうという気持ちになれました。(G1で)今回初めて一緒に決勝に乗って、まさか自分が優勝できるとは思ってなかったので本当に嬉しいです」

深谷は今年ビッグ4度目の準優勝となったものの、今日ばかりは笑顔が収まらない。自身が優勝したかのように。
 「ワンツーが決まって最高です。宮杯が終わってからキツい練習をずっとやってきたんで、その成果が出てよかった。初日(理事長杯)に先行して2着になってシリーズの流れを作れたのが大きかったですね。次は中3日で地元(豊橋)記念があるので、そっちもしっかり頑張ります」

成田和也は4コーナーの判断が明暗を分けた。
 「川村(晃司)さんが位置を取ってくれて、仕掛けて頑張ってくれて、僕にとっては大チャンスだったのに。最後にコース取りを迷ってしまった分勝てなかった。悔しいレースになってしまいました」

川村晃司は「深谷君のダッシュがハンパなかった。とにかく行ける所までと思って行ったけど、脚が一杯だったんで金子さんの横までしか行けなかった」と完敗を認める。

地元地区で意気込んだ木暮安由だったが6着に終わる。
 「しゃくられた時点で勝負ありだった。岡田(征陽)さんの位置が欲しかったけど、とにかく一つでも着を拾おうと踏んだし、自分で出来ることはやりました」

浅井康太は「展開待ちだったんで仕方ない。もがき合う展開しか考えてなかったので。深谷が強かった。次は負けないように頑張ります」と前を見る。

号砲と同時に最内の深谷が、スタートを出て前受け。深谷の後ろは金子と飯嶋で取り合いとなり、両者が内と外を入れ替わりながら周回を重ねる。以下の隊列は岡田、浅井、井上と単騎の選手が中団に位置し、川村―成田に木暮が続く。
7番手の川村が青板の4コーナーからじわりと上昇を始めて、赤板を迎える。前の深谷はすんなりと下げて、川村が先頭に立ち成田の追走。3番手に岡田が続き、木暮。5番手の深谷は前団との車間を詰める勢いで打鐘目がけて反撃を開始。川村も合わせて踏むが深谷が4コーナーで出切って主導権を奪取。飯嶋との競りで立ち遅れた金子だが、懸命に深谷を追いかける。最終ホームで番手にはまりかけた川村を乗り越え、金子が深谷に追いつく。逃げる深谷に金子となり、川村―成田、岡田、浅井、木暮は外に浮き、飯嶋、井上が最後方。
3番手の川村が最終2コーナー過ぎからまくりで襲い掛かるが、深谷の掛かりがいい。バックを通過し、インを1車進出した浅井は岡田と絡み、後方の選手には前が遠い。川村のまくりは金子の横でいっぱい。成田が金子の後ろに切り替え、前団3人の勝負で直線へ。
逃げる深谷が二の足で押し切りを図るが、番手の金子が渾身の力で交わしにいく。成田は深谷、金子の中を割ってゴールは3車で横一線。タイヤ差の攻防は、金子に軍配が上がりG1初制覇。2着に深谷が粘り、中割り及ばずの成田が3着。

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