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第65回高松宮記念杯競輪(G1)

稲川翔がビッグチャンスを生かす

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番手を守り抜き嬉しいG1初優勝を遂げた稲川翔選手。 出迎えた近畿の選手たちに祝福を受け3度宙を舞う。

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 「近畿じゃなかったら、ここまで育ってなかったと思います」。先輩たちへの感謝の気持ちを、稲川翔は見事に力に替えた。村上義弘をはじめ、欠場組たちの思いを一身に受け、全日本選抜から続く近畿の流れを守り抜いた。
 「興奮していて上手く喋れないけど夢みたいですね。(ゴールをして)みんなが1着かどうか分からない気持ちがよく分かりました。今日は脇本君が「強気に後ろから攻めます」と言ってくれたんで、狙われる位置なんで僕も気持ちだけは引き締めて頑張ろうと思いました。誰が来てもおかしくないと思ったので、色んな展開を想定して。まずは(番手を守る)それだけ頭に入れてました」
 近畿みんなの力で勝ち獲ったG1初優勝。これでタイトルホルダーの仲間入りだが、まだまだ試練はこれからと今一度、気を引き締める。
 「村上義弘さん、博幸さん兄弟をはじめ、僕がここまで大きくなれたのは近畿の先輩方のおかげとしか言いようがないので。僕も早くその仲間入りをしたいと思って、その気持ちだけで頑張ってきたので、ひとつ目標をクリアできたのかなと思います。これを見てくれていると思うし、少しは恩返しができたと思います。自分はまだまだ力もないと思ってますし、これからもすごい大変なことが一杯あると思うので、これを機にもっと大きくなれるように、近畿の代表選手の仲間入りができるように、という自覚を持てるように頑張っていきたいです」

 大塚健一郎は菊地圭尚を好援護し、直線外を伸びたが2着まで。
 「圭尚が『2日目のような失敗はしません』と言ってくれたので、作戦はそれだけで任せてました。圭尚を入れてあげて、最後に目一杯踏んだので満足です。
今回は周りに助けられてきたし、また出直して頑張ります」

 岩津祐介は脚を溜めての一発に賭けたが、優勝は遠く3着に。
 「競りに行ったらワッキー(脇本)にペースで駆けられてしまうので。バックを入れないような走りと思ってたけど、前と車間が空いてしまい脚を使ってしまった。浅井君が後ろにいたのもプレッシャーになりましたね」

 SS班の5人の主力を欠く初めての特別戦線。唯一S班の浅井康太はプライドを賭けて挑んだが、岩津に警戒されて8番手。前団ははるか遠く6着。
 「(岩津は)敵は僕ではなくて前なんですけどね。僕は一か八かの仕掛けだったけど、岩津さんは僕ばかり警戒して車間も空いてたし。前が遠かった」

 「3コーナーで『よし!』と思ったけどね」と話すのは菊地圭尚。ゴール前、決死の追い込みをかけたが、稲川と接触して落車。9着に終わる。「最後(稲川は)外を踏むだろうから中へ。やることをやって終わったので。ゴール前がまだまだ未熟ですね。これまでで一番悔しいけど、これをバネにしてまた次頑張ります。怪我は大丈夫です」

 逃げた脇本雄太は最後失速して4着に。「ジャンで粘られたとき『やってしまった』と。最後ゴール前で接触があってバランスを崩し、ひるんでしまった」と話す。

スタートで各車見合ってけん制状態がしばらく続く。東口善朋がしびれを切らして出て行くが、浅井康太も外から踏み上げて誘導員の後位で併走。結局、東口は下げて、浅井が正攻法に構える。隊列は浅井-吉村和之が前受け、中団に岩津裕介-柏野智典の岡山コンビ、菊地圭尚-大塚健一郎が入り、脇本雄太-稲川翔-東口の近畿勢が後方待機の並びでようやく落ち着く。
赤板過ぎの1コーナーから脇本が踏み上げるが、これに合わせて菊地も前に踏む。前受けの浅井は車を下げて、菊地が誘導員の後位に入る。鐘と同時に脇本が主導権を奪うと、菊地はイン粘りを敢行。脇本後位は競り合いに。その後ろに岡山コンビ、浅井は八番手で態勢を整える。競り合いは稲川が最終ホーム手前で菊地を締め込んで番手を死守。脇本がここから一気にペースを上げていく。競り負けた菊地は三番手で立て直し、大塚がこれを追走。六番手の岩津は前と車間が大きく空いてしまう。八番手の浅井は最終2コーナーからまくり上げるが、岩津の外で止まって不発。懸命に逃げた脇本の番手から稲川が鋭く追い込み、G1初優勝を飾った。三番手から中を割った菊地は稲川、脇本とからんで落車。菊地マークから外を伸びた大塚が2着に入った。岩津が車間を詰める勢いで3着に強襲。脇本はゴール前で末を欠いて4着に敗れた。

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