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第30回共同通信社杯

新田祐大が涙のV

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並み居るライバルたちを力強くまくって勝利した新田祐大選手。最後はガッツポーズをしてウィニングラン。

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「競輪が大好きです」。心の底からそう感じたシリーズはこれまでなかっただろう。一連の騒動の責任をとる形で5月から各選手が自粛欠場に入るが、新田祐大にとっても今節は特別なシリーズ。大事な一戦を制し、大勢のファンにその思いを告げると人目をはばかる事なく思い切り泣きじゃくった。
 「ただ一言、嬉しい気持ちが強かったです。僕の前を走る選手は全員強いので不安でしたけど、前の選手を一人でも多く交わして、後ろのラインの為にも僕が前に出て風を斬らないとと思って。先頭に立つまではドキドキしてました。特別の単発レースは優勝したことがあるけど、単発レースと違って4日制や6日制は体力の限り戦わなければいけない難しさがある。優勝できたことは心の底から嬉しいです」
 今後は充電期間に入るが、復帰後も再びこの舞台で活躍すべく、今から力強く宣言する。
 「もう1月ぐらいまでプランを考えてます。うまく行くかは分からないけど、戻ってきたときには今まで以上のハイパフォーマンスを出して、他を圧倒するようなレースができるように。ずっと応援してくださったファンの方には本当に感謝しきれないぐらい感謝しています。また新田祐大が見れて良かったって思えるようなレースができるように頑張ってきたいと思ってます」

 準決勝に続き成田にピタリとマークした成田和也。交わせなかったが、福島ワンツーの結果に納得の表情。
 「新田君と2人で気持ちのこもったレースができたと思う。みんな普段以上の思いがあったと思うし、負けられないくらいの気持ちで臨んだつもり。(選手会騒動で)応援してもらってる人やいろんな人に迷惑をかけたと思う。今回もたくさんのファンの人に声援を送ってもらったんで、それを忘れないように過ごしたいと思います」

 深谷が不発に終わると、岩津裕介は内に切り込んで稲垣の番手を奪う。福島コンビのまくりには対応できなかったが、俊敏な動きで3着に入った。
 「深谷は打鐘前からスピードが合ってたし、何とか出切ってくれと思ってた。内に切り込んでからは稲垣さんに頼るしかなかったけど、深谷を合わすのに全力だったんでしょうね。自分としてはあれが精一杯。自分のレースはできたし、今後につながれば」

 無警戒だった内をすくわれた村上義弘は何とか立て直したが4着までが精一杯。
 「勝負としては残念でしたけど、自分たちのレースをするという点では一切迷いがなかったですし、自分たちが全力を出し切る真剣勝負はできたと思う。(1年の自粛に入るが)この後に関しては今は何も考えてません」

 稲垣との真っ向勝負を選んだ深谷知広は淡々とレースを振り返る。
 「今日は完全に自分の力不足。自分で作戦を立てて通用する相手ではないんで、とりあえず前受けからと思ってた。今日は行けるところから思い切って行こうと、それしか考えてなかった。また、みんな帰ってきたときに力勝負できるように、練習して強くなりたいです」

 単騎の平原康多は勝負どころで岩津に下りられ万事休す。
 「車間を切って体勢を整えたけど、逆にそれがね。単騎だし、いいときもあれば悪いときもある。今日は悪いほうに出てしまいました。最後は外を踏んで終わりたかったですね。悔しい思いを胸にまた練習します」

号砲で深谷が飛び出し、正攻法に構える。深谷知広に岩津裕介-小倉竜二の中四国コンビが付けて前団、稲垣裕之-村上義弘-稲川翔の近畿勢で中団を形成、単騎の平原康多が続き、新田祐第-成田和也の福島コンビが後攻めの形で隊列は落ち着く。
青板周回の1コーナーから新田が上昇。3コーナーで誘導員を交わして先頭に立つ。すかさずその上を稲垣が叩いて赤板前から先行態勢に入る。単騎の平原が近畿勢を追って4番手、この後ろは新田と深谷で併走になる。稲垣がそのままペースを上げて全開で逃げる中、外併走を嫌った深谷が打鐘から強引に巻き返す。最終ホーム手前で稲川が深谷をブロックすると、深谷マークの岩津は内に斬り込む。さらに車間を空けていた村上のけん制で深谷は後退する。村上の内をすくった岩津が番手に割り込むが、最終1コーナーから車を外に持ち出した新田が前団のもつれを鮮やかなスピードでまくり切った。懸命に続いた成田が2着で福島ワンツー決着となった。福島コンビに合わせて番手から踏み込んだ岩津が3着に入った。

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