高松宮記念杯競輪
検車場レポート

■ 6月12日(前検日) ■ 6月13日(初 日) ■ 6月14日(二日目) ■ 6月15日(三日目)

浅井 康太 選手

佐藤 友和 選手

吉田 敏洋 選手

稲川 翔 選手

根田 空史 選手

  快晴の下で幕を開けたG1『第64回高松宮記念杯』。初日は東西それぞれに分かれ、西の『白虎賞』と東の『青龍賞』をメインに、10レースまでは1次予選が行われた。


 まずは11R、西の『白虎賞』。
 前受けの藤木裕が赤板過ぎから全開のスパートで別線の動きを制するが、中団から深谷知広がまくって、乗った浅井康太がG寸前で差し切った。「深谷君にしっかり付け切れたし、最後は差せた。調子は良いみたい」と引き続き好調をアピール。
 対する深谷知広は「本当なら、(スンナリ中団キープで)楽な展開。それなのにキツかった。高地トレの疲れが残っているし、セッティングもまだまだ」と修正点を挙げた。
 「自分のレースすらさせてもらえなかった」。7番手に置かれた脇本雄太は呆然。2次予選へは「気持ちを切り替えるしかない」と口にするのが精一杯だった。
 村上義弘は「藤木(裕)君が早くから行ったので、最終バックでは脚が一杯だった」と言葉少な。気になる体調については「良くはないけど、戦える状態にはある」とジャッジ。2日目の龍虎賞は、自力での戦いになるが、そこまで評価を落とす必要はないのかもしれない。

 東日本の青龍賞は、どん尻から単騎でまくった佐藤友和の快勝。前検日とは違い「落ち着いて走れた。脚の状態は上がっているし、落車を避けられたのを考えても、反応面でも良くなった」と笑顔でコメント。これ以上ない好発進を切って、龍虎賞に向かう。
 武田豊樹は2着。中団へ斬り込んで、そこから俊敏に攻めた。「流れの中では動けたと思う。でも動こうとした時に、踏めなかったね。確実に1着を獲ろうと思ったら、仕掛けが遅くなってしまった」と反省。「しっかりと修正して、準決へ向かいたい」。


 1次予選は、西日本のレースからプレイバック。
 開幕戦を勝ったのは、人気の中心に推された金子貴志。最終ホーム手前から先行し、そのまま力強く逃げ切った。レース後は「キツかったです」とつぶやいたが、1着での勝ち上がりに笑みを浮かべた。「朝早かったし、ちょっと重いかなと思ったけど。2日目以降はゆっくり出来るだろうし良かった」。直前は深谷知広らと、しらびそ高原へ高地トレを行った。今回は新田康仁や藤木裕も参加した模様で「新田さんや藤木君の前で、自分が最初につまずく訳にはいかなかったからね」。とりあえずは、トレーニング主宰者としての面目は保った。強かった函館記念よりも強い姿をファンに見せつけた。


 3Rも中部勢がワンツー。中団からまくって勝った吉田敏洋の冷静さと強さが際立った。「西川(親幸)さんの切り替えは予想していたし、原田(研太朗)君と踏み合いになっても仕方ない。とにかく想定通りに運べました」。
 しっかり位置を奪うと、G1初出場の原田研太朗に「スンナリまくられた。力の違いを感じた」と言わしめるまくりで快勝。「序盤で先行が残っていたし、気持ち早めに仕掛けた。脚の感じも良いですよ」。前場所Vの勢いはしっかりと持ち込んでいる。志智俊夫との中部ワンツーに、口も滑らかだった。


 5Rも中部の山田裕仁が1着。目標の柴崎俊光が内を突いて園田匠を弾くと、更にその内に俊敏に飛び込んで直線では一気に伸びた。「(序盤で)中部勢がみんな勝っていたし、自分達も気合が入った。自分も思っていたよりデキ良さそう。意外と戦えそうですね」。歴戦の雄が自ら下した合格点のジャッジ。2日目以降も軽視は出来そうにない。


 7Rは、稲垣裕之と松岡貴久の中団争いを尻目に、前受けの三宅達也が突っ張り先行。番手絶好の岩津裕介が1着で、中団争い制した稲垣裕之が外を強襲して2着に入った。「バンクは軽かったけど、併走で脚を使いましたね。2角からまくりたかったけど、三宅君のカカりが良くて行けなかった。3角入り口で仕掛けたけど、全然車が進まなかったですね」。それでも伸びを見せて、岩津に迫った。スムーズな運びが出来れば、存在感を示すチャンスは大いにありそう。

 9Rは、松川高大の先行に乗った荒井崇博が1着。人気の近畿勢は、水谷好宏が阿竹智史との中団争いを制してまくるが、踏み出しで口が空いた稲川翔は、内を突いて2着。「たまたま(結果)良かっただけで、これじゃぁダメ」と地元の大舞台での初走を振り返った。「やっぱり今までのレースとは違いましたね」。初の地元G1に臨み、2着スタートにも顔はこわばっていた。「落ち着こうと思っていたけど、全然。緊張しっぱなしでしたね。せっかく水谷(好宏)さんが展開を切り開いてくれたのに、道中でムダな動きが多過ぎて離れてしまった」。それでも勝負はこれから。「1走したし、緊張感もマシになる。これからはミスは禁物。やるだけです」。準決進出へ、先輩の分まで奮闘を誓った。「前田さんは、直前の練習では大阪で1番強かった。無念だと思う。前田さんの分まで、最低でも準決には乗らないといけない」。
 水谷好宏は3着。「しっかり中団取れたし、タイミング取らずに仕掛けたけど悪くなかった。調子は変わらずですね」。今節もハイパワーに陰りはない。


 東勢最初のレース2Rは、群馬トリオが上位を独占。立役者は、別線を完封して3着に粘った矢口啓一郎。「練習はしっかり出来たんで、1周くらいなら(逃げても)いいかなと思ってたけど、それよりも長い距離踏んで残れたので良かった」。

 4Rは、逃げた根田空史に、鈴木謙太郎が猛スパートで襲い掛かり、激しいモガき合いに。根田が鈴木を合わせ切ると、根田ラインの3番手を奪取していた芦沢大輔が鋭く伸びて1着。5月のあっせんしない処置で久々の実戦となった影響を感じさせない立ち回りだった。「落ち着いて動けたと思う。結果は良かったですけど…」と語尾を濁した。そこには、理想高き男の忸怩たる思いがあった。「勝って言うのもなんだけど、自分の脚色は思ったほどではないかな。アップの時から仕上がっていないなと感じた。調整ミスかな」と首をひねる。2日目以降の修正がなれば、更に怖い存在となりそう。
 勝った芦沢以上に、見る者に強烈な印象を与えたのが根田空史。鈴木の仕掛けを完璧に合わせ、直線でも粘り腰を発揮。芦沢の強襲は許したが、(後ろの)師匠の中村浩士を追走一杯にさせるハイパワーで2着に粘った。「鈴木さんは近況の成績が良くないし、一か八かで早めに仕掛けてくるだろうと思ってた」と読みがズバリ。「出られたら厳しいし、全開で合わせた。それでも横まで来られたし、(踏むのが)もうワンテンポ遅かったらヤバかったですね。とにかく夢中で踏んでいたから、何がなんだかわからなかった。でも残れているし、調子は良いんでしょうね」。3月のダービーに続いて、1次予選突破に「まずは第1段階クリアですね」とうなずいた。

 6Rは、断然人気の渡辺一成が中団の内で閉じ込められる大ピンチ。万事休すかと思われたが、僅かに空いた隙を突き、最内を伸びて1着まで突き抜けた。渡辺に冷や汗をかかせたのは、外併走でも中団に拘った神山拓弥。「(初周が)あの並びになったので、中団で渡辺さんと勝負するしかなかった」。咄嗟の判断でレースを進めると、最後は外をまくり上げて2着。「早めにまくりに行ければ良かったけど。脚の感じは悪くないが、後ろに迷惑を掛けてしまったのが…」と反省した。


 細切れ戦の8Rは、唯一の3車ラインだった茨栃トリオが上位を独占。牛山貴広がタイミング良くカマして別線の反撃を許さなかった。差して1着の神山雄一郎が「牛山君が強かった。俺は何にもしていない」と牛山を絶賛。
 牛山貴広も「キツかったけど、あのタイミングで行けば何とかなると。ライン3人で決められたのが何よりですね」と最高の結果に喜びを隠せなかった。優参した3月ダービーに続く快進撃も予感させる動きだった。


 10Rは、近況絶好調の新田祐大がロングまくりを決め、菊地圭尚と北日本ワンツー。作戦について問われると「自分の力を出し切ることを心掛けた」と口を開いた。「巧く出切れたのが良かったですね。菊地さんとはよく直線勝負になっても、いつも簡単に差されちゃうけど、今回は振り切れたので良かった」。勢いは更に加速し、2次予選でも揺ぎない強さを披露する。



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