
それでも、山崎芳仁の大ギアパワーは、他を一歩リードしている。グランプリでも永井の動きに瞬時に対応できなかったように、大ギアのリスクはあるが、カマシ、まくりのタイミングさえ取れれば、ほとんどの選手を飲み込む力はある。問題は超スローペース、ゴチャついて仕掛けるポイントを見失った時だろう。伏見俊昭はオリンピックイヤーも終わり本業の競輪に集中。競技として鍛え上げた部分は競輪にも生かされ、衰えを感じさせないダッシュ力は健在。最近は目標を得るケースがほとんどで、今後の課題は競りこまれた時のヨコの動き。佐藤もグランプリでは孤軍奮闘したが、普段のレースなら北で結束の可能性が高い。持ち前のスピードを発揮すれば09年タイトル奪取も十分に可能だ。
グランプリでは永井の動きに乗って番手まくり。四角ハナに立ち優勝も見えた小嶋敬二はゴール前で末を欠き悔しい3着だった。しかし衰え知らずのパワーは健在。昨年後半が一息だっただけに、今年は年頭から飛ばしていきたいはず。前を任せるケースは稀で、山崎、平原らとの力勝負を演じる可能性が高い。対する平原康多もグランプリは一か八かの内突きで井上に迫った。今年こそはタイトルを獲ってグランプリへ、という気持ちが強い。
対山崎で試行錯誤を繰り返したギアも3.79に落ち着き、細かい動きにも対応。前受け、後攻めからの押さえ先行と初手の位置には拘らない多彩な攻めで北日本軍撃破を目論む。平原にとっては心強い援軍が多い。グランプリは逃したものの、SSカップでは内から伸び切った手島慶介、追い込み型として完成し、ベテランならではの巧さを見せる神山雄一朗、惜しくもSS入りは逃したが、昨年後半から巻き返してきた兵藤一也。平原とは練習でも車を合わせる、最強の埼京ラインを形成する後閑信一と信頼できる援軍がそろった。SSカップで豪快に逃げた武田豊樹も元気一杯。
昨年前半にダービー、宮杯と連覇した渡辺晴智、サマーナイトを制した新田康仁だが、後半戦は目立ったヒットがないまま、08年を終えた2人。新たにSS班入りした海老根恵太との南関3羽ガラスが09年大暴れするか要注目。特に渡辺は体調不良の期間も長かった為、身体のケアさえ万全ならば、内、外俊敏なコース取りから突き抜ける。
渡部哲男がSS班から抜けた中四国の穴を埋めるのはベテラン三宅伸と、まくりのスペシャリスト石丸寛之。三宅はグランプリ、石丸はSS班と両者共に最後に滑り込んだ。今年は希望あっせんと融通も利くので年間を通してスケジュール調整がしやすい。
迎え撃つ九州勢も井上昌己のグランプリ制覇で自然に士気も上がってくる。その井上の持ち味は巧みな位置取りと、回転鋭いまくり。先行策は余程緩まないと考えにくいが、グランプリで見せた勝負強さは天性のもの。ここも北津留翼、荒井崇博らとタッグを組んで、競輪祭連覇を狙ってくる。北津留にとっては自分の庭。ヤンググランプリでは見せ場作れずに08年を終えており、この悔しさを競輪祭にぶつけてくる。昨年はオリンピックに全力を傾けたが、今年は本業の競輪で存在をアピールしておきたい。荒井も落車もあり波が大きかったが、昨年暮れからは体調不安も払拭されて、『らしさ』が蘇ってきた。追い込み陣ではグランプリこそ逃したが、ベテラン健在を誇示した紫原政文が気迫のレースを見せてくれそう。小野俊之も昨年は目立ったヒットがなかっただけに、年頭のGIで結果を出して良い流れを作りたい。目標さえしっかりしていれば上位進出も十分だ。
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