   
|
1度だけならフロック、タイトルは2度目からが本物―。加藤慎平が更に地位を高めるには、今大会でこの格言をクリアーするのが必要十分条件。GI最高峰のダービーを制覇すれば、横綱昇進へ異議、異論、異存はないはずだ。もちろん、加藤にはダービーチャンプへの資質は備わっている。他のグランプリ組が苦戦する中、決勝9着とはいえ競輪祭では存在感を十二分に示した。激しく厳しい捌きや、グレード戦線では封印したはずのタテ攻撃を繰り出し、他勢力をことごとく蹂躙した。全日本選抜の直後からイベント等で多忙を極め、練習と調整のリズムが崩れる状況でも、権利取りよりアタマ取りを優先させるプレースタイルに変化はない。全レースで1番車が確約され、初手から好みの位置で組み立てられるのも強味。好目標を得たケースは当然ながら、ラインの先頭を受け持つ際も様々な番組、展開への対応力は屈指で、硬軟自在に立ち回る強豪や古豪が集う6日間を突破するはずだ。
加藤の他にも、中部勢は実力者が揃った。怪力・小嶋敬二を筆頭に、ダービー連覇の経験を持つ山田裕仁、スーパーダッシュの金子貴志、永井清史、先行テクを効かす松岡彰洋ら攻撃陣が豊富。年頭に状態を乱した小嶋、金子は、春先までには仕上げてくるはず。鎖骨骨折の後遺症がようやく消えた山田は、本来のキレを取り戻す真っ只中。脚質が立川向きの松岡や、場数を踏む永井らに、敏捷性が際立つ山口幸二、富生兄弟や自在性を保つ山内卓也、一丸安貴の好ガードまでが加わる。それぞれ加藤のアシスト役を単純に買って出るわけがなく、この緊張感が中部勢の磐石度を増す。 |
|
| 綱の重みを示せるか、神山雄一郎、吉岡稔真にとっては正念場となるシリーズだ。出色の踏み出しを誇る矢口啓一郎、松本一成、急成長する平原康多と、関東勢の大砲は中部勢に見劣りしない。捌きの安定する後閑信一、兵藤一也、復調急な小橋正義に、変幻自在な手島慶介、藤原憲征と、このタレント集団を束ねる意味でも、神山は勝機を生かせる状態まで仕上げておきたい。太田真一、川口満宏、広川貞治ら地の利を得る埼京組は戦歴以上の活躍が望めそう。対照的に、吉岡は全てが自己責任となりそう。積極性で群を抜くものの、荒井崇博はGI戦線で準決勝がカベとなっている。中川誠一郎や井上昌己は安定感が一息不足で、特選シードを味方にする小野俊之、合志正臣、大塚健一郎や、捌きの堅実な加倉正義を上位戦へどれだけ送り込むか、吉岡が様々な命題をどう克服するか注目したい。 |
 |
| 東王座戦と一転し、北日本勢は少数精鋭で戦う。伏見俊昭は競輪祭で落車し、静岡記念を欠場と体調面が気懸かり。活躍を占うには玉野記念、東王座の動きをチェックしたい。重馬場に強い岡部芳幸、高谷雅彦、ランクアップした山崎芳仁に、安定感と勝負強さの際立つ佐藤慎太郎、有坂直樹らは展開さえ向けば準決勝以上でも勝機が巡る。一方、南関勢は海老根恵太がエース格。全日本選抜、競輪祭でそれぞれ決勝3着、2着と、大舞台で格を上げている。切れ味保つ鈴木誠を筆頭に、堅実な村本大輔、復調モードに入った高木隆弘、渡辺晴智、佐々木龍也と援護陣が多く、カマシや押さえ先行を駆使する海老根の攻勢に注目したい。開催中に様々な面へ修正が効く村上義弘、復調する市田佳寿浩、捌きや切れ味の鋭い前田拓也ら近畿勢。トップスピードを高める佐々木則幸、三宅達也、石丸寛之に、競輪祭チャンプ・小倉竜二と、個性派多数の中四国勢も混戦を演出する
|
|