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開設63周年記念「いわき金杯争奪戦」

山崎芳が大逆転V

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上がり11秒0の好タイムを叩き出し、直線で前団をひと飲み。地元記念3度目の優勝を飾り、ファンに応える山崎芳仁選手。

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検車場のモニターでレースを見守る地元の仲間さえ予想だにしない、大逆転劇だった。逃げたの昨年のグランプリVで勢いづく金子貴志。寒風を切り裂き好調な金子はグングンと加速。別線をクギ付けにし、最終バックでは誰も仕掛けられずの一本棒。前団での決着が濃厚かに見えたが、6番手から踏んだ山崎芳仁が次元の違う脚で一気。地元バンクを突き抜けた。
「ここは3コーナーが伸びないですからね。それでもサラ脚だったら、踏んでいったかもしれないけど。一回押さえて脚も使っているし。金子さんもバックで伸びて行ってましたから。あとは(脚を)溜めて、溜めてと」
周回中はまさかの8番手。押さえて脚を使わされたが、それでも4.58のギアの威力は絶大。マックスのギア倍数が唸りを上げて、最終バックまでの地元ファンの悲鳴を、ゴールで喜びへと変えた。
「後ろからの作戦はなかったんで…。あとは臨機応変にいくしかないって思いました。準決もあおりがなかったら、突き抜けていたと思うし。今日も踏んだ瞬間の踏み心地が良かった」
圧巻のゴールで地元記念を連覇。選手会騒動で揺れるなか、ファンに無様な姿は見せられまいと責任を全う。気持ちでだけで臨んだ4日間だった。
「ここ1週間は練習ができてなかったし、気持ちだけでした。ファンの人たちには(走りで)返すしかないし、やるしかないんで。去年がグランプリに出ることができなかったので、今年は一戦、一戦を積み重ねていきたい」と、新たな決意を口にした。
昨年の伊東記念から、これで3場所連続での優勝。伊東記念の2日目から換えた4.58の特大ギアで、変わり身を見せ山崎。地元バンクで大ギアのモンスターが、完全復活を果たしファンへの恩返しを誓う。

作戦はズバリ。金子ラインを受けて労せずに4番手を手に入れた芦沢大輔が、最終4コーナーから車を外に持ち出し渾身の踏み込み。ゴール寸前で金子をとらえたが、2度目の記念制覇はスルリ。僅差で山崎に屈した。
「本当にまいった。(優勝を)獲ったと思ったんですけど…。(決勝までは)無駄に脚を使って位置を取ることが多かった。その反省を生かして、今日は脚を使うことなくあの位置を取れた。冷静にいけたと思います。バックでは金子さんのスピードがすごくて、自分は出て行くことができなかった。やれることはやったし、(勝負が)できることもわかったんで、また次に頑張ります」と、気持ちを切り替えた。

打鐘で先頭に立った金子貴志は、迷うことなくペースを上げて先行策。シリーズの4日間すべてで自力で戦い、1313着。さらなるパワーアップに励み、進化を遂げようとしている。
「先行して3(着)なら悪くないと思う。出たあとは誰かが絶対にカマシが来ると思ったんで、ペースで踏んでと思っていました。(先行するには)展開的には一番いい流れだったし、それでどこまでいけるかなって。あとはギアが4.50くらいじゃないと厳しいかもしれない。4.50なら(逃げ切り優勝で)いけたかもしれないですね」

地元コンビとの別線を選択した、佐藤友和の思惑は何だったのか。打鐘の2センターで山崎と6番手取り合いを演じて、山崎に競り負けると紺野哲也の切り替えにもあって最悪の9番手。大きく車間の空いた最後方からの、立て直しを余儀なくされた。
「山崎さんの位置を自分も取りたかった。その作戦だったんで、取れなきゃ仕方ないですよね。そこからは3コーナーで(隊列に)追いついていれば面白かったけど。今の力じゃそこまでにはいけなかった」

号砲で佐藤友和が飛び出して、正攻法を確保。車番を生かした金子貴志、スタート攻めた芦沢大輔の順で続くと、福島コンビが後ろ攻め。周回は佐藤―紺野哲也―金子―成清貴之―望月裕一郎―芦沢―宗景祐樹―山崎芳仁―成田和也の並び。
赤板前から山崎が上昇を始めると、1センターで佐藤が車を下げて、山崎は正攻法に。今度は打鐘前から芦沢が誘導員を下ろすと、そこを金子が叩いて先行態勢に入る。先に斬った芦沢が中団に、6番手で山崎との併走を嫌った佐藤が車を下げると、紺野はホームから成田後位にスイッチ。これで佐藤は9番手に置かれてしまう。ホーム手前からペースを上げた金子のかかりはよく、バックでも後方からの仕掛けはない。金子が先頭で4コーナーを立ち直ると、4番手の芦沢は2センターからのまくり追い込み。長い直線を生かして粘る金子をとらえたが、芦沢の仕掛けを目がけて外を回した山崎が一気に突き抜け見事に地元記念連覇を飾った。

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