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宇都宮競輪開設64周年記念「宇都宮ワンダーランドカップ」

あっと驚く9番手まくり

メイン写真

最後方に置かれ万事休すかと思われたが、そこから驚異の伸びで浅井康太選手が優勝。昨年11月以来の記念Vを飾った。

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深谷知広の準決まさかの脱落で浅井康太は中部ただひとり。単騎での立ち回りが注目されたが、フタを開ければ予想外の9番手。
「組み立て? 最悪でした」と、浅井自身が認めるように、最後方に置かれ後手を踏んだ。
最終ホームでは神山雄一郎を連れて、武田豊樹がラインの絆で堂々の主導権。中団の思惑だった浅井だけに、苦笑いでこう打ち明ける。
「武田さんが仕掛ければ、(別線は)なかなか来られないと思った。だから武田さんの4番手か、最悪は3番手(飛び付き)と思ってました。たまたまだし、9手だったからこそ思い切り行けたっていうのもあります。恵まれですよ」
逃げる武田に田中晴基、松岡貴久と次から次にまくりが襲い掛かったが、最後に仕掛けた浅井だけが別次元。叩き出した上がりタイムは群を抜く13秒4。他の8選手が止まって見えるごぼう抜き。最後は後続を2車身ちぎり、余裕でゴール板を駆け抜けた。
「3コーナー過ぎにはイケるって感じがあったけど。後ろに誰かいたらどうかなっていうのがあった。まぁ、9番手から行ったんで、後ろがいることはないんですけど。(シリーズ中は)徐々に体が動いてきて、その通りに結果が出た。ただ練習はできてなかったし、どうかなっていうのがあった。それで結果がよかったのはたまたまですかね」
幾度となく恵まれを強調する浅井。完調の手応えを感じ取ってないが故の言葉だろう。これからのG戦線を見据えて、浅井がこう続ける。
「これからまだまだ(上積みが)あると思います。それに毎年共同通信社杯くらいから、調子がよくなってきてるんで。これからですね」
来月の13日から始まる高松宮記念杯へ向けて、さらなる上積みが見込める浅井。遅すぎた今年の初優勝にも焦りはない。後半戦へ向け反撃の狼煙を上げた浅井がニヤリと笑う。

田中のまくりを猛ブロックで阻んだ神山雄一郎だったが、続く松岡には切り替えるのが精いっぱい。最後は浅井に行かれたものの、松岡を差し返しての準V。10度目の地元記念制覇はお預けとなったが、納得の顔で口を開く。
「武田君の頑張りに尽きますね。それに報いるために自分も頑張った。(田中を)止めたけど、単騎の人たち(浅井、松岡)がいたから。松岡君に切り替えた時は、交わせるコースが見えてたけど。3番(浅井)がその外を来た時点で、全然スピードが違った。自分も頑張っての2着だし、勝負しての2着ですからね。役割は果たせたかなって思います」

先まくりの田中を目がけて、松岡貴久が8番手からまくる。最終3コーナーではブロックを受けた田中のあおりを受けながらも、あわやのシーンをメイクして3着。
「浅井君が仕掛けてくれて、それを交わせればっていう考えもあったけど。浅井君は行くにしても相当、遅めだと思ったんで。結果的にああなりました。(田中)晴基君はもう止まっていると思ったら、また行ったし。あの(あおりが)結構ありましたね。見せ場はつくったけど、最後はタレた」

最終ホームで別線の神山拓弥を押し込めるようにして、武田豊樹は気迫のこもった先行策。3日間連続の主導権取りで、プライドをみせた。
「勝つためにギアを(4.33に)選択したけど。しょうがないです。先行してまくられただけです。僕の感触もなかなかよかったけど、まくりのスピードもよかった。やることはやりました」

「本当はホームで出切るくらいで先行をしたかった」と、振り返るのは田中晴基。結果的には武田に先行を許し、初の記念ファイナルはまくりに回った。
「神山拓弥君も来るのが遅かったし、武田さんにもフタをされた。自分のところは2車だし、先行させてくれるかと思ってたんですけど…。勉強になりました」

号砲で田中晴基が誘導を追い和泉田喜一が続く。以下、浅井康太、武田豊樹―神山雄一郎―藤田竜治、神山拓弥―幸田光博、松岡貴久で初手の並びが落ち着く。
神山拓が赤板2コーナーで上昇を開始。松岡は追わずに後方へ控える。武田は神山拓ラインへ切り替えて中団を狙う。その時松岡が浅井の内から8番手を確保、浅井は最後方となる。武田は中団の外を嫌い最終ホームで神山拓を叩く。武田の動きに続いた田中が1センターから仕掛け、松岡は田中ラインを追う動きから田中の更に外を踏み込み、浅井は最後方にポツンと置かれたがその差を詰めるようにと踏み出す。田中は最終バックで神山雄のけん制を受け失速。松岡はそのあおりを受けながらも乗り越えて2センターで先頭に立つが、背後には既に浅井の姿が。浅井は4コーナーで松岡を捕らえて先頭に立つと直線でもしっかりと踏み込み、後続を振り切って優勝。神山雄は直線を追い込むも松岡を交わすのが精一杯で2着の結果。松岡は3着に粘った。

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