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伊東競輪場開設63周年記念「椿賞争奪戦」

番手まくりの山崎芳V

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番手まくりで別線を振り切った山崎芳仁選手が、今年2度目となる記念優勝。相性のいい伊東バンクで声援に応える。

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7度目のグランプリ出場はかなわなかった今年の山崎芳仁だったが、SS班としての責務を最後まで全う。06年には東王座チャンプに輝いた好相性の伊東での記念優勝で13年を締めくくった。
「石井秀治君の巻き返しは早いだろうし、自分が400mくらいは踏まないと優勝はないなって思っていた」
坂本貴史と2車の北日本ライン。数的なアドバンテージがある訳でもなく、山崎にとっても決してぬるいメンバー、展開ではなかった。早めに石井にフタをした坂本が、赤板を目がけて踏んで主導権。オーバーペース気味に飛ばして、林巨人―加藤慎平が切り替え続く。初日から3連勝と破竹の勢いの石井の反撃に、山崎は最終ホームから番手発進。坂本のためにも、山崎に選択の余地はなかった。
「(坂本)貴史がゆるめずにそのまま行ったから。(ラインが)2車で大変だったけど、あれだけ行ったら。あとは自分が優勝するしかないんで。自分も何回も発進をしているからわかるし。貴史のためにも俺が1着を取らないとって。想定はしていた展開だったけど、なにしろ距離が長かった。新田(康仁)さんとか自力のある選手もいるし、後ろがラインの選手じゃないですから。バックから踏み上げていった」
直線で林、新田を振り切っての完勝劇だった山崎は、今年2度目記念V。無冠に終わった13年だったが、有終の美でフィナーレを飾った。
「もう来年で35歳になりますからね。いきなり脚が上がる訳でもないし、与えられた中でひとつ、ひとつ頑張るしかない。グランプリにもまた出たい気持ちがあるし、(出場に)近づけるように」
冷え込むバンクで最後に底力を見せた山崎の14年は、1月8日からの名古屋F1で幕を開ける。

後方に置かれた南関ライン。石井が打鐘の3コーナーから前団に襲いかかるが、最終1コーナーで林のブロックで失速。新田康仁は林マークの加藤慎平をキメて好位を奪取。直線で山崎に詰め寄ったが昨年に続く準Vで、悔しいそうに天を仰ぐ。
「石井君が出られない最悪のパターンも想定していた。ただ、その時は林君のところに降りて、林君をキメて最後にザキさん(山崎)をゴール前で抜くっていう考えだった。結果的に(加藤)慎平のところに降りるしかなくて。もう1車前に行けていれば。最善は尽くしたけど…」

林巨人は記念初優出にも臆することなく、持ち前の俊敏な立ち回りを披露。山崎を追いながら、石井を猛ブロックで止めて直線勝負。山崎の踏み直しに合わされ3着も大いに見せ場をメイクした。
「作戦通りといえば、作戦通りでしたね。初めての記念の決勝でも緊張せずにできた。でも、1コーナーで石井さんを張って脚を使っているし、山崎さんが最終バックからもう一度伸びて行って。それで自分の気持ちに余裕がなくなった…」

シリーズの連勝は“3”でストップ。最終1コーナーで散った石井秀治が唇を噛む。
「(山崎の)番手まくりは頭にあった。もうちょっと自分のスピードがあれば…。山崎君のところまで行けてれば、また違っていたんでしょうけど」

周回は中村一将―田中俊充―石井秀治―新田康仁―萩原貴之―林巨人―加藤慎平―坂本貴史―山崎芳仁の並び。
青板前から動いた坂本は石井の外で止まると、石井の動きをしきりに確認する。後方に置かれたくない中村は赤板前の4コーナーから先に誘導員を下ろし、そこを一気に坂本が叩いて主導権を奪う。中部コンビが北勢を追走し、人気の南関ラインは後方7番手に置かれてしまう。それでも石井は打鐘過ぎから早めの巻き返し。グングン前団に迫ったが、気づいた山崎がホーム過ぎから番手まくり。さらに林のブロックを受けるた石井はここで力尽きる。すかさず内に降りた新田は何とか中部コンビに割り込み、2センターで中村、萩原と接触した加藤が遅れると、優勝は前3車の争い。番手まくりの山崎が追撃を振り切り、今年最終戦を飾った。直線中を割った新田が2着、林は3着で競輪祭の権利をゲットした。

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