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開場63周年記念「毛織王冠争奪戦」

長塚智が記念を連覇

メイン写真

3車で結束力の高さを見せた関東勢。岡田征陽選手の番手まくりに乗った長塚智広選手が、直線で抜け出し記念を連覇。ファンに応える。

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関東単騎で圧巻のパフォーマンスを見せた熊本とは違うシチュエーションで、記念を連覇。今度は絆の固い関東ラインをアピールした長塚智広が、優勝を結実させた。初日特選は東日本の連係で北の新田祐大とタッグを組んだ。決勝も埼京コンビと袂(たもと)を分けて、輪界屈指の勢いとスピードを誇る新田の番手に付ける選択肢もあった。が、長塚は関東ラインを重んじて池田勇人―岡田征陽の後ろを選んだ。

「関東はいままでそういうのがあんまりなかったですから」  今年いっぱいはあっ旋停止の武田豊樹は、戦線離脱を余儀なくされている。その武田の分までという強い責任感の現れでもあった。

「岡田君、池田君が頑張ってくれて、関東3人で頑張れた」

打鐘で先行態勢を取った池田が松岡健介を気迫で突っ張り、岡田は最終バックから意を決しての番手まくり。それぞれが役割をまっとうして、長塚にお膳立てが整った。

「武田さんが競輪場にいない中。関東でまとまって戦って、結果を出せた。よかったです」

3年連続のグランプリ(GP)出場へ向け、賞金ランク第8位(10月28日現在)の長塚は熾烈な賞金争いを繰り広げている。同第9位と当面のライバルと目される浅井康太。その浅井がまくりで迫ったが、長塚は持ち前の鋭い差し脚でゴール板を真っ先に駆け抜けた。賞金面でも浅井を突き放し、GPの椅子をグッと引き寄せた。

「(賞金を)意識しないって言ったらウソになる。競輪選手になった以上は、GPに出て、勝つことを目指している。そのために一戦、一戦また頑張ります」

気の抜けない賞金争いが続く長塚の次回は、武田が不在の取手記念。“関東はひとつ”を旗印に、記念3連覇でさらなる賞金上積みを目論む。

地元の山内卓也を連れて先行の思惑だった浅井康太だったが、松岡が打鐘で出られず誤算の展開。

「松岡さんが出たところを、僕が出て先行態勢に入ろうって考えてた。(山内)卓也さんいるし、周回中も今日は先行でいいと思ってたんで。そしたらああいう風になってしまった」

池田の突っ張りで組み立て変更を余儀なくされた浅井は、最終バック手前からの6番手まくり。関東勢に肉迫するも、最後は脚を残していた長塚に1輪だけ足りなかった。

「新田君も(まくりで)行けてないから、自分は結構走れたかなと。僕は出し切りました」

ホームバンクの山内卓也は、浅井に流れ込んでの3着。悲願の地元記念制覇は成らなかった。

「きつかったけど。僕は今できることをやって出し切った。ああいう風になるとまとまりがあるんで、関東勢は怖い。2車で太刀打ちするにはきつかった」

人気の新田祐大は最終ホームで最悪の8番手。浅井の動きを見て、仕掛けをちゅうちょ。直線で猛追も時すでに遅く、4着が精いっぱい。

「あの展開になって、ピッタリ付いていけばよかったけど。反応が遅れた…。それであの位置になってしまったし。そこからもダメでも行けばよかったけどビビッてしまった。そこがすべてです」

 

北津留翼がいち早く飛び出してスタートを取った。初手の並びは新田祐大―北津留、浅井康太―山内卓也、松岡健介―西岡正一、池田勇人―岡田征陽―長塚智広で落ち着く。
動きがあったのは青板周回の4コーナーから。まずは後ろ攻めの池田が上昇をはじめ、赤板過ぎに前の新田を押さえる。すると新田はすぐに車を下げていった。2コーナーを過ぎた所で池田が誘導を下ろして先頭に立つと、松岡がすかさずカマして反撃に出る。しかし、池田もダッシュでこれを合わせ、松岡を突っ張った。西岡の好援護で松岡は中団4番手に収まるも脚は一杯。その後方には6番手に浅井で、引いた新田は8番手に立ち遅れる展開に。
池田はそのままペースを上げて先行態勢に入り、最終ホームを一本棒で通過。池田が軽快に逃げるなか、岡田は車間を空けて後方を警戒していく。2コーナーを過ぎた所で浅井がスパートすると、岡田もほぼ同時に番手まくりを敢行。そこからは関東勢と中部勢の力比べとなった。各車の攻防はゴール直前まで続いたが、ライン3番手で脚を溜めていた長塚が抜け出して優勝。まくった浅井は猛襲及ばず2着に終わる。山内は地元Vならずも、浅井をきっちりマークして3着で表彰台入りを果たした。

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