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京王閣競輪開設63周年記念「ゴールドカップレース」

志智俊がSS班をバッサリ

メイン写真

インタビュアーが山口幸二氏の表彰式を終えた志智俊夫選手がウイニングラン。3度目の記念Vに手を上げファンに応える。

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勢いよく飛び出した北津留翼が主導権を握って、九州勢が2段駆けの態勢を作る。3番手の村上義弘、中団の武田豊樹、8番手の山崎芳仁とSS班のまくりが次から次に襲い、菅原晃は番手発進で応戦。もつれながらも村上が菅原を飲み込んで勝負はSS班3人のものかに思われたが、志智俊夫が矢のような伸びで直線一気。SS班の3人をバッサリ切れ捨てた。
「ビックリしました。うれしいですね(笑)」
表彰式から引き揚げて来た志智はこう言って、いつもの柔和な顔でさらに目を細める。
「去年の年末からギアを4.15に上げたし。トップクラスのレースだったんで、かなり疲れが溜まっていた。昨日の夜も疲れて寝られないくらいでした。今日はレースに付いていけるのかって思ったくらい。それでも気持ちと普段の練習の成果でなんとかできた」
疲労を微塵も感じさせない直線での伸び。2日目の優秀では逃げた村上を交わして、シリーズ2度目の村上とのワンツー。村上、武田に気迫で負けまいとする志智の気持ちが、驚異の伸びを生み出した。
「本当に気持ちをしっかりと。バックを踏まないであのコースに入れたし、自分では結構いい着までは行けると思ったけど。突き抜けるとは…。今日は(村上ラインの)3番手でリラックスしていたこともあるけど。このメンバーですからね。自信にはなりました」
昨年の11月には地元の大垣で深谷知広の逃げを差し切って07年以来の記念優勝。山田裕仁に指導を仰いで3年目に入り、志智のこれまでの努力が実を結びつつある。
「山田さんに見てもらうようになって、これで3年目ですからね。結果を求めなきゃいけないし。あの大垣でなにか、こういう気持ちで走らないといけないっていうのがわかった」
表彰式でのインタビュアーは昨年、現役を退いたばかりの山口幸二氏。同県の先輩から追い込みとしてのスピリットを受け継ぐ志智にとっては、これ以上ないステージとなったことだろう。
「幸二さんだったし、自分もリラックスできました。ちょっとハシャギ過ぎちゃいましたかね」
勝負の世界に身を置いているとは思えない静かな口ぶり。闘志を内に秘める志智が、いつものやさしい笑顔で3度目の記念制覇をかみ締める。
村上、武田を差し置いて車単の1番人気は福島コンビ。8番手になりながらも豪快にまくって出た山崎芳仁は手応え十分で最終3コーナーに入ったが、最後のあおりが響いて準Vまで。
「このメンバーで久々に本命をもらった。おかげで緊張はしました。スピードに乗ってきた時にあおりがあって、フワッとなった。3コーナーでは武田さんをつかまえられる手応えもあったし。抜けば優勝だと思った。実際に志智さんがいなければ1着だし、ファンをがっかりさせることはなかったと思います」
「甘いね」とは6番手に置かれた武田豊樹の弁。最終ホームを過ぎて巻き返すと、合わせて出た村上に乗って外に持ち出すが、最終4コーナーで外に振られて伸びを欠いた。
「あんなにレースが早く動くとは思わなかった。そこから仕掛けて、あとは行けるか行けないかの勝負。村上君が絶対に行き切ってしまうと思っていたんで…」と、武田にとっては、村上と菅原の踏み合いが予想外だった様子
九州勢が逃げて村上義弘にとっては、絶好のVポジション。昨年のグランプリを彷彿とさせる渾身のまくりを2コーナーから打ったが、菅原の抵抗に手を焼いて4着。
「脚がないってこと。終わって映像を見たら、あれ以上遅かったら(武田に)行かれていた。タイミングは最高だったけど、あとは脚…。自分のタイミングでは行ったんですけど」

周回は山﨑芳仁―佐藤慎太郎―村上義弘―三谷政史―志智俊夫―武田豊樹―阿部康雄―北津留翼―菅原晃の並び。
青板の2コーナーから北津留が上昇を始めると、この動きに武田も続く。北津留は赤板で誘導員を下ろすが、その上を武田、さらに村上が叩く。村上がペースを上げないと見るや、北津留は再度踏み上げ打鐘過ぎに先行態勢。北津留を受けた村上は1センターから仕掛けた武田に合わせてまくるが、北津留後位の菅原もそのまま番手から踏み込み、バックから2人で壮絶なモガき合い。村上後位の三谷が離れ、3番手で脚を溜めた武田も2センターから外に持ち出すが、菅原にけん制された村上のあおりを受ける。武田の外を回した山崎もあおりを受け、前団は横に大きく広がった。これでチャンスが巡ったのは志智。空いた中バンクを一気に突き抜けると、大外迫った山崎の追撃を退け優勝を飾った。

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