 |
市田 佳寿浩 選手 |
 |
浅井 康太 選手 |
 |
東口 善朋 選手 |
 |
佐々木 則幸 選手 |
 |
稲毛 健太 選手 |
|
 |
東日本大震災被災地支援・開設62周年記念「和歌山グランプリ(G3)」の3日目が、穏やかな冬晴れの下で行われた。激しい攻防が繰り広げられた準決では9Rで西岡正一が地元決勝一番乗りを果たすと、東口善朋が10Rで続いて優出し地元の牙城を守った。
予想外のスローペースになった9R。中団を早坂秀悟がキープすると、インに詰まった浅井康太は7番手まで下げての出直し。最終ホーム手前から早坂が仕掛けて一気にペースが上がったが、早坂を突っ張って逃げた木暮安由を浅井があっさりまくってラインでワンツースリー。
浅井に絶対の信頼を置いていた市田佳寿浩が、静かに口を開く。
「僕の中では(浅井が7番手で)ああなっても、得意の展開だろうって。混戦からのトップスピードにもっていく時の浅井君は、すばらしいものがありますから。僕もよくついていけました。道中も余裕はあったし、調子いい木暮君がヨコに来るかもしれないっていうのもあって、乗り越えるまでは構えていました。よく(浅井を)抜けました。欲を言えばダービーまでにもっと上がっていければいいですね」
浅井をきっちり交わした市田だが、“きのうの友はきょうの敵”。互いに3車そろった近畿と中部の先頭を走るV戦の両者。浅井を敵にまわした市田の気持ちは、推して知るべしだろう。
最終ホーム手前でやっと7番手に下げ切った浅井康太だが、踏み出すとグングンと加速する。
「ジャンではきょうは本当にヤバいなと思った。だけど、引き切ったときにはイケるなって感じがした。最終ホームでは落ち着けたし、1コーナーでは余裕がありました。前(早坂)が行ってくれて混戦になって、脚が動いてくれたんでよかった。バンクは重たいし風にやられているし、体調は悪くても脚はしっかり回っている」
体調は一息ながらもレースでは抜群のポテンシャルを発揮している浅井が頼もしい。
10Rは4番手で静かに脚を溜めた五十嵐力が、最終2センターから踏み込んで突き抜けた。
「たまたま決まった感じだけどよかった。手応えはいいし、きのう(2日目)はあれがなかったら…。3連勝の予定でした(笑)」
2日目の優秀はあおりを受けてまくり不発。ジョーク交じりに振り返る五十嵐に、決勝では武田豊樹の番手が巡ってきた。
「(武田は)間違いなく総合力では、いま一番強い選手ですからね。なんかもう緊張してきました」
最強レーサーのスピードを番手で体感できる五十嵐が、決勝へ気合を入れ直す。
逃げた脇本雄太を残せなかった東口善朋は、複雑な表情で汗をぬぐう。
「決勝に乗れたことはワッキー(脇本)に感謝しないと。細切れだったから、どんどん(後ろから)来るしどうしようもなかった。あれで自分が飲まれてしまったら、どうしようもないんで。一昨年はこれでホッとしたけど、今年はこれで違うんで、気持ちを引き締めていく」
念願の記念制覇が見えてきた東口にとっては、優出は通過点だろう。
11Rは園田匠が前々に攻めると、北日本勢も武田豊樹に抵抗して混戦に。後方からのまくり展開をモノにした佐々木則幸は、前で奮闘した園田に申し訳なさそうに振り返る。
「初手の位置から、周回中も役割を果たさないで…。これで園田が決勝に乗れていれば、まだいいけど。僕だけサラ脚で回ってきた。園田が前で頑張ってくれたおかげです」と、佐々木は手放しで喜べない。
苦しい単騎を強いられた山田裕仁だったが、歴戦の勝負勘で佐々木を追走。単騎の立ち回りでの最後方に構える強心臓ぶりは、常人の成せる業ではない。
「単騎だから本当は前々にいなきゃいけないんだけど。ゴチャつけばノリ(佐々木)が何かやるかなと思っていた。そんな気がしましたね。きのうあれで武田に勝てなかったんで、極力脚は使わないようにした。あした(決勝)はやっと浅井と走れる」
初日、2日目と未勝利に終わっていた地元勢だが、3Rの中野彰人が負け戦ながら3日目にしてようやく白星で地元の先陣を切った。
「本当はもっと楽に勝たないといけないのに…」と、後続が競りとなってマイペースだっただけに、逃げ切りの中野に笑顔はない。
「あの展開でへとへと、もういっぱいいっぱいでした。ここ最近は駆けても力が抜けていく感じがして。練習をやっていてもいい時の強さが出せていない気がする。よかったのは結果だけですね」
5Rでは3Rの中野の流れを継いだ稲毛健太が、利根正明をまくり返して地元記念初勝利を挙げた。
「あそこは(利根を)行かせる気はなかったんですけどねぇ。来る前に踏んでおうこと思ってたけど、反応がイマイチ。にぶかったです。初日、2日目に比べたら風はそれほどないけど、急に脚にくるっていうか直線が重い。自転車にスピードが乗っていない感じがする。きのうからクランクとか部品を換えてみたけど、まだ一歩目がよくない。脚は悪いイメージがないんで、あした(最終日)も何とかして頑張ります」
自転車がピタリとマッチすれば上積みも十分な稲毛は、最終日も追いかけたい。
7Rは人気を背負った井上昌己が、格の違いを見せてまくり快勝。ホッと一息つく。
「(最終)ホームではカマそうと思っていた。(前の併走の)決着がつく前に行こうとしたら、6番(大井浩平)が行っちゃったから…、やられたと。オッズを見てたし、きょうは緊張した。きのうまでのセッティングだと腰周りに力が入らなかったんで、セッティングを変えたらきょうはよかった。やっと当たりをつかんだ感じですよ」
|