朝から寒風吹きすさび気温が上がらず、雨も降り出す厳しい条件の中で行われた決勝となったが、乗りに乗っている山崎には全く関係なかった。吉岡稔が主催する不動会の同門である渡部と小川がジャンから叩き合う予想外の展開で始まったレースの流れを冷静に見極めた山崎は後方待機から怒涛の三角まくり。あっという間に前を行く選手を飲み込んだ。
「カマして行こうと思ったんですが、カマせる所は全然なかったですね。(小川と渡部で叩き合いは)全然予想してなくて、モガき合った時はアレッて思いましたが、冷静に。いつも通りって感じですかね。まくりは結構自信があるので。GPの前に京王閣を走れていい勉強になりましたけど、本番は多分先行すると思います(笑)」
2着には山口がしっかり食い下がって続く。
「(抜くのは)絶対無理。どんどん加速して行くんだもん。山崎君は社長(小嶋敬二)に頭脳が加わった強さだね(笑)」
一方、新田にとっても本来なら必勝パターンに持ち込んだはずのレース。まさかの4着だった。
「無駄脚を使いたくなかったから、先手ラインの後ろに付く作戦でしたが、まさか(渡部と小川で)モガき合うとはね。僕にとってはいい展開になりましたけど。哲男が強かったんで、まくれるとは思いましたけど、出切って一杯。踏み直す余力は残ってなかった」
3着には渡部マークの小倉が入る。
「西で潰し合うことはしないだろうし、3番手に哲男が入るのかと思った。まさかあんなに逃げるとね。5番(新田)がまくって来たのは何とか止められたけど、山崎君はスピードが違い過ぎてどうしようもなかった」
渡部は、小川を突っ張って出させなかったレースをこう説明する。
「悪いけど、あそこではもう引けないですよ。すんなり(小川―紫原の)三番手なら付いて行って勝負と思ってましたけど、(小川は)すぐに叩きに来ないんだもんね」
小川は7月にS級昇級。早い時期の記念初優参だったが、同門の先輩に厳しい洗礼を受けた。“次こそは”という決意を胸にして競輪場を後にした。
「一番してはいけないことですよね。哲男さんに突っ張られることは予想していませんでした。決勝に乗ったと言っても、今回はたまたま流れで乗れただけで、力ではないですから。次は力で乗ります」
その小川に前を任せていた紫原は、「小川君はもうワンテンポ早く仕掛けていたら良かったね。勝つチャンスはあったと思うけど、昨日と違って内を見てしまった」。
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